設定例
次の例では、
RAID
ボリュームの一般的な設定方法をいくつか示します。
単一の
RAID
ボリュームに移行する
これは、新しいコンピュータ上で
RAID
ボリュームを設定する最も簡単な方法です。オペレーティング
システムを再インストールする必要も、コンピュータの起動ディスク上の既存のファイルを復元する必
要もありません。ただし、移行処理にはいくらかの時間がかかり、処理が完了するまで新しいボリュー
ムを使用することはできません。
この例では、
RAID
カードと
4
つの
500 GB
ディスクドライブが取り付けられたコンピュータを購入して
いることを前提としています。このコンピュータは、
1
番目のディスクにオペレーティングシステムがイ
ンストールされた状態で出荷されています。
4
つのディスクを使って、既存の起動ボリュームを
RAID 0
、
RAID 1
、
RAID 5
、または
RAID 0+1
方
式の
RAID
ボリュームに移行できます。パフォーマンス、データ保護、およびボリュームサイズを最適
化するために、この例では
RAID 5
を選択します。
RAID 5
では、
ドライブ約
1
つ分の領域がパリティデー
タのためだけに使用されます。このため、この例のボリュームで使用できる領域は、残りの
3
つのディ
スクの合計容量とほぼ同じとなります。
18
RAID
ユーティリティユーザーズガイド
この例の設定を行うには:
コンピュータに付属の
Mac OS
または
Mac OS X Server
インストールディスクを使ってコンピュータ
を起動します。インストーラの最初のパネルが表示されたら、言語を選択して「次へ」をクリックしま
す。メニューバーが表示されたら、「ユーティリティ」>「
RAID
ユーティリティ」と選択して、「
RAID
セットを移行」コマンドを選択します。最後に、表示されたダイアログで「最大限の保護」を選択し、
残りの
3
つのドライブがすべて選択されていることを確認し、「追加した容量を使用して新しいボリュー
ムを拡張」を選択してから、「移行」をクリックします。
移行処理が完了すると、
RAID
で保護された
1
つの起動ボリュームとデータ保存用のその他の領域が
できています。
高パフォーマンスのデータ専用ボリュームを作成する
前の例と同様に、購入したコンピュータに
RAID
カードと
500 GB
のディスクドライブが取り付けら
れているものとします。この例では、
RAID
を利用して高速のデータボリューム(ビデオを編集する
ためのボリュームなど)を作成し、データ保護は考慮しません。現在の起動ディスクはそのままにし、
RAID 0
方式を使用して残りのディスク上に別のボリュームを作成します。
RAID 0
では、
RAID
セット
内の複数のドライブにデータがストライプ化されるので、通常はパフォーマンスが最も高くなります。
ただし、起動ディスクおよびデータボリュームの両方について、データ保護は提供されません。
この例の設定を行うには:
オリジナルの起動ディスクはそのままにするので、別のディスクからコンピュータを再起動する必要はあ
りません。「
RAID
ユーティリティ」を開き、
「
RAID
セットを作成」コマンドを使用して残りの
3
つのディ
スクで構成される
RAID 0
セットを作成します。「
RAID
ユーティリティ」ウインドウの左側の列にこの
RAID
セットが表示されたら、
RAID
セットを選択し、「ボリュームを作成」コマンドを使ってボリューム
を作成します。コンピュータの起動ディスクとは別に、
1,500 GB
の高速データボリュームが作成され
ます。
新しい起動ボリュームと複数のデータボリュームを作成する
この例では、起動ボリュームを再作成し、いくつかのデータボリュームを追加して、今後のボリューム
のための領域を確保します。これらのすべてのボリュームは、スペアドライブを利用できる保護された
RAID
セット上に作成します。前の例と同様に、購入したコンピュータに
RAID
カードと
500 GB
のディ
スクドライブが取り付けられているものとします。
この例の設定を行うには:
現在の起動ディスクを再作成するために、コンピュータに付属のインストールディスクを使ってコン
ピュータを再起動して、
「ユーティリティ」メニューから「
RAID
ユーティリティ」を開く必要があります。
次に、新しい起動ディスクとデータボリュームを保護するために、
1
つの
RAID 5
セットを作成します。
このために、
「
RAID
セットを作成」コマンドを選択してから「
RAID 5
」を選択し、使用可能な
4
台のディ
スクのうち
3
台を選択してから、
「未割り当てのドライブをスペアとして使用」オプションを選択して「作
成」をクリックします。次に
RAID
セットを選択し、「ボリュームを作成」コマンドを使ってボリューム作
成ダイアログのデフォルトサイズを変更して、
20 GB
の起動ボリュームを作成します。その他のサイズ
のデータボリュームを追加する場合は、必要に応じてボリューム作成処理を繰り返します。最後に、コ
ンピュータに付属のインストールディスクを使って、
Mac OS X
または
Mac OS X Server
を新しい起
動ボリュームにインストールします。
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